読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

面接が君の住む街の近くであって、楽しい想像をした

昔好きだった女の子が住むはずの街の近くで、面接があった。
ここに入社したら365日とは言わないまでも、年間200日くらい通うことになるだろう。5年勤めたら1000日くらい、この駅を使う。
1000日もあったら1日くらいは、彼女とすれ違うのではないか。

 

彼女は赤ちゃんを抱いていて、こちらをみてちょっと驚いて目を見開いて、僕は電車に乗ろうとしていたのだけど、思わずホームに留まる。
元気?と僕は聞く。
元気です、と彼女は言う。
幸せ?と聞く。
幸せですと笑う。

 

彼女と手を繋いだことがあって、でもその時、きっと付きあうことはないことは分かっていて悲しさのあまり「やがて君は男の子を生む。その彼を散歩に連れ出し手を繋いだ瞬間、ふと俺とこうしていたことを思い出すであろう」と呪いめいたことを吹き込んだのだった。
彼女は本当に気持ち悪いものをみる目でこちらをにらみ、現実になりそうだからやめて下さい、と言った。
彼女が連絡をくれなくなったのは、もしかしたらこの発言が原因だったのかもしれない。

 

だから、僕はその娘が抱いている子供が男の子が女の子か聞くことができなくて、そうこうしているうちに次の電車がきて、これに乗らなければ遅刻だといって僕は電車に飛び乗る。
彼女は子供の手をとって、バイバーイとやる。

 

という妄想をしたら、すごく幸せな気分になった。


ということを友人に話したら、末期だ、というような顔で『秒速五センチメートル』とか観たらやばいんだろうねと言われた。


やっぱり気持ち悪いものをみる目をしていた。